AM1プラットフォーム対応APU「Athlon」「Sempron」はAMDが2014年4月9日に発表/発売した新しいAPUです。AM1プラットフォーム自体は2014年3月5日に発表済みです。
AthlonとSempronブランドが復活したことで注目を集めているAM1対応APUについてまとめてみました。
AthlonとSempronが復活
AMDのCPUブランド「Athlon」と「Sempron」が今回APUブランドとして復活しました。
http://www.amd.com/ja-jp/products/processors/desktop/athlon
http://www.amd.com/ja-jp/products/processors/desktop/sempron
AthlonとSempronの歴史
Athlonは1999年8月に、Sempronは2004年8月に初登場しました。ハイエンド~メインストリーム向けのAthlon、バリュー向けのSempronとして活躍していましたが、Athlonは2011年9月発売のAthlon II X4 631が、Sempronは2012年6月発売のSempron X2 190が登場して以来、新製品が登場することなく、実質的にブランドが終了していました。
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20140409_642649.html
それが今回、APUとして復活したので、AMD製CPUを使っていた方には朗報ですね。
AM1プラットフォームの特徴
- 既にBGAタイプ(Socket FT3)で登場しているKabiniをデスクトップ向けのソケットタイプ(Socket AM1)に変更
- CPUコアはPlayStation 4などにも採用されている「Jaguar」コアを採用
- GPUコアはGCNアーキテクチャを採用し、Radeon R3とブランドされています
- DirectX 11.2やOpenGL 4.3などの最新APIをサポート
- 通常はマザーボードに搭載されているI/O機能などを担うFCH(チップセット)がAPUに内蔵されています
- メモリコントローラはシングルチャンネルの最大DDR3-1600に対応
- インターフェイスはUSB 3.0×2、USB 2.0×8、PCI Express x4、DisplayPort、HDMI、ミニD-Sub15ピン、SATA 6Gbps×2など
- AMDが想定している競合相手はIntelのタブレット向けCPU「Bay Trail-D」
CPUクーラーについて
AM1プラットフォームではCPUクーラーの固定方法が変更されています。
従来はリテンションモジュールへフックで固定していましたが、マザーボードに2つのホールを設けて、プッシュピンで固定に変更されました。リテンションが無くなったことで、ソケット周辺がすっきりします。
ちなみにIntelは4つのホールでのプッシュピン留めです。
今回発売されたAPUにはすべて、5cmファン搭載のCPUクーラーが付属しています。製造元はCooler Master、Foxconn、AVCの3社です。
AM1対応APUラインナップ
Athlon 5350 税込6,674円 Athlon 5150 税込5,702円
Sempron 3850 税込4,298円 Sempron 2650 税込3,758円
現在4モデルが発売されています。現時点では不明ですが、今後ラインナップが増える可能性も?
それと、モデル名の命名規則が現時点ではあまりよくわかりません。
AM1対応APUのスペック比較表
モデル名 | Athlon 5350 | Athlon 5150 | Sempron 3850 | Sempron 2650 |
---|---|---|---|---|
CPUコア数 | 4 | 4 | 4 | 2 |
動作クロック | 2.05GHz | 1.6GHz | 1.3GHz | 1.45GHz |
GPUブランド | Radeon R3 | Radeon R3 | Radeon R3 | Radeon R3 |
SP数 | 128 | 128 | 128 | 128 |
GPUクロック | 600MHz | 600MHz | 450MHz | 400MHz |
対応メモリクロック | 1,600MHz | 1,600MHz | 1,600MHz | 1,333MHz |
キャッシュ容量 | 2MB | 2MB | 2MB | 1MB |
TDP | 25W | 25W | 25W | 25W |
価格 | 6,180円 | 5,280円 | 3,980円 | 3,480円 |
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20140409_643358.html |
Sempron 3850とSempron 2650で価格差が500円しかないので、2コアのSempron 2650を選ぶ人は少ないのではないかと思います。
AM1対応マザーボードも続々登場
APUの発売と同時に対応マザーボードも各マザーボードメーカーから発売開始されています。対応マザーボードについては違うページでまとめる予定です。現時点で既に発表済みの対応マザーボードをご紹介します。
- ASRockがMicroATXの「AM1B-M」、Mini-ITXの「AM1H-ITX」「AM1B-ITX」の3モデル
- ASUSがMicroATXの「AM1M-A」とMini-ITXの「AM1I-A」の2モデル
- BIOSTARがMicroATXの「AM1MHP」「AM1MH」「AM1ML」の3モデル
- GIGABYTEがMicroATXの「GA-AM1M-S2P」「GA-AM1M-S2H」の2モデル
- MSIがMini-ITXの「AM1I」の1モデル
マザーボードの価格については、チップセットがAPUに内蔵していて、マザーボードには非搭載なので、今までより安価になるとされてきました。
実際に4,000円台からのモデルも登場していて、APUとセットで購入しても1万円を下回る状況です。
各マザーボードの詳細については、AM1対応マザーボードをまとめたページを作成したので、そちらの方をご覧になって下さい。
Socket AM1対応マザーボードをまとめました 新Athlon/Sempronに対応したマザーボードが続々登場
AM1対応APU搭載デスクトップBTO
現時点ではまだ発売されていませんが、登場したら追記する予定です。
ストームとフェイスから発売されました。
AM1対応APU搭載BTOパソコン | ||
---|---|---|
フェイス | PASSANT Mx A53AAM1 KBN ¥51,624 (税込) | PASSANT Mx S38AAM1 KBN ¥48,384 (税込) |
CPU | AMD Athlon 5350 | AMD Sempron 3850 |
マザーボード | AM1M-A | AM1M-A |
ビデオカード | CPU内蔵グラフィック | CPU内蔵グラフィック |
メモリ | 4GB DDR3-1600 | 4GB DDR3-1600 |
SSD | - | - |
HDD | 500GB HDD | 500GB HDD |
ストーム | Storm Book Tower AM1 販売価格(税込): 38,880 円 by ストーム | |
CPU | AMD Athlon 5350 | |
マザーボード | AM1M-A MicroATX | |
ビデオカード | CPU内蔵グラフィック | |
メモリ | 4GB DDR3-1600 | |
SSD | - | |
HDD | 500GB HDD |