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現在、自作PCの組み方の前に、パソコンを構成するパーツを解説していて、
既に「CPU」「マザーボード」「メモリ」を解説させていただきました。
個人的にはこの3つがパソコンの中で最重要のPCパーツだと思っています。
まだ読まれていない方は是非読んでみてください。

今回解説させていただくのは「ハードディスク」です。HDDとも表記されます。
このハードディスクもパソコンの中で非常に重要なパーツです。
ハードディスクというのは何なのか、パソコンの中でどういう役割を果たしているのかをわかりやすく紹介したいと思います。

ハードディスク・HDD

ハードディスクとは正式にはハードディスクドライブと言います。
英語でHard disk driveですが、HDDとよく略して呼ばれたり、表記されたりします。

「HDD」っていうのは皆さんも耳にする事が多いと思います。
PS3やXBOXに入っていたり、テレビを録画するために外付けHDDを接続したり、
パソコンのデータを移したり、バックアップしたりする時に使う、結構ポピュラーな製品だと思います。

「HDD」とは磁性体を塗布または蒸着した円盤をモーターで高速回転して、
磁気ヘッドを使って、データを読み込み・書き込む「補助記憶装置」の事です。
主記憶装置であるメモリと違い、このHDDは長期的なデータの保存のためのPCパーツです。つまり電源を切ってもデータは消えません。

HDDの容量

HDDはデータを保存する機器なので、データを保存できる容量が重要です。
同じ記憶装置のメモリと違って、HDDは大容量です。
一般的なメモリが1枚で4GBとか8GBなのに対し、現行のHDDは1TB(1000GB)や2TB(2000GB)が当たり前で、4TB(4000GB)のものもあります。

単位はMB、GB、TBがあります。
1000MBで1GB、1000GBで1TBです。
MBはメガバイト、GBはギガバイト、TBはテラバイトです。

HDDの特徴(メリット・デメリット)

HDDの特徴は容量が大きい事ももちろんですが、容量に対しての価格が安い事です。
メモリが1GBあたりの価格が に対して、
HDDの1GBあたりの価格は、1TBの場合で円、2TBの場合で円、3TBの場合で円、4TBの場合で円です。
全然価格が違います。※2014年1月現在の参考価格です。変動する可能性があります。

デメリットは故障のリスクです。
パソコンの中のパーツで一番故障する可能性があるPCパーツです。
理由はHDDが衝撃や振動に弱いからです。
パソコンケースを揺らしたり、倒したりはしないでください!
高速回転している円盤に、磁気ヘッドが接触してデータを読み書きしているので、その最中に衝撃があると円盤に傷が付いたり、
回転している部分が故障する可能性があります。
もちろん寿命もあります。しかし寿命を正確に予測するのは不可能で、いつ壊れるかもわかりません。

なのでバックアップが必然となります。
外付けHDDや光ディスクにデータをバックアップしておかないと、故障した時に後悔します。
個人的には複数の媒体にバックアップするのをおすすめします。

ちなみにHDDの故障に備えて、RAIDのミラーリングという方法があります。
これは違う項目で紹介します。

HDDの種類・分類

HDDはサイズ・大きさや速さ、接続インターフェイスで分類されています。
HDDを選ぶ時の基準であるいくつかの項目を紹介します。

HDDのサイズ

HDDにはサイズ・大きさに種類があります。
主に3.5インチと2.5インチ、1.8インチの3種類があります。他にもありますが、特殊なので省きます。

デスクトップパソコンに搭載されているのは主に3.5インチです。
ノートパソコンに搭載されているのは主に2.5インチと1.8インチです。
省スペースのデスクトップパソコンには2.5インチが搭載されていたりもします。

自作PCで使うのは基本的に3.5インチのHDDとなります。
なので、HDDを多く積み込みたい場合は、PCケースを選ぶ際に、3.5インチのドライブをいくつ搭載できるかをチェックする必要があります。
※5.25インチベイに搭載する方法もありますが、冷却の面からあまり私は推奨しません。別でパーツも必要にもなりますし。

HDDの接続規格・接続インターフェース

HDDはパソコンと接続して使います。
パソコンの中に搭載するHDDはマザーボードのコネクタにケーブルと接続します。
その接続規格・接続インターフェースには種類があります。
現行のモデルの接続インターフェースは「Serial ATA」です。
少し前のパソコンでは「IDE」という接続インターフェースが採用されていました。

Serial ATA

現行の接続インターフェースです。「SATA」と略される事も多いです。
SATAの中でも規格があります。主にスピードの違いです。

SATAⅢ、SATA 3.0、SATA 6Gb/s

現行で最新の接続インターフェースです。
物理転送速度は6Gb/sで、実効転送速度は4.8Gb/s (600MB/s)です。

呼び方がいくつもあるので分かりづらいですね。
Ⅲ、3.0はSerial ATAのリビジョン数を表していて、6Gb/sが転送速度を表しています。
間違えないようにSATA 3.0(6Gb/s)と表示されたりもします。

1世代前のSATA 2.0(3Gb/s)より2倍速く、2世代前のSATA 1.0(1.5Gb/s)より4倍速いです。

SATAⅡ、SATA 2.0、SATA 3Gb/s

SATAⅢより1世代古い接続インターフェースです。
現行のマザーボードでもこのSATA 3.0と併用してSATA 2.0を採用しているモデルが多いです。
物理転送速度は3Gb/sで、実効転送速度は2.4Gb/s (300MB/s)です。

SATA、SATA 1.0。SATA 1.5G/s

SATAⅡより1世代古い接続インターフェースです。
現行のマザーボードではほとんど見かけません。

互換性がありますので、動作はします。
しかし、SATA 2.0対応のHDDをSATA 3.0対応のマザーボードのコネクタに接続しても、SATA 2.0の性能しか発揮しないというような上位互換です。

Ultra ATA、U-ATA

Serial ATAより以前の接続インターフェースで、IDE(ATA)規格の拡張仕様です。
古いパソコンにはこの規格が採用されているマザーボードがあったりしますが、
自作PCという点では、現在あまり関係ないです。

HDDの回転数・回転速度

HDDの速さに直結するのがこの回転数・回転速度です。
単位はrpmで、現在はほとんどのHDDが7,200rpmか5,400rpmとなっています。
rpmとは1分間に円盤が回転する数で、大きいほど速いです。
なぜかと言うと、HDDは円盤を回転させて読み込み・書き込みするので、速く回転するもの程速いということになります。

ただ、高回転になると、発熱や騒音のデメリットもあります。
しかし自作PCだと、HDDを冷却するファンが搭載されているPCケースを選ぶ場合がほとんどなので、高回転でも冷却面の心配はないかもしれません。
静音性や省電力性を考えると、5,400rpmのHDDを選ぶ人もいます。ノートパソコンでも基本的にはこの5,400tpmのHDDが搭載されています。

キャッシュ

HDDの内部に搭載されているメモリの事です。「バッファ」とも呼ばれます。
読み込み・書き込みのデータを一時的に保存します。
これはパソコンの処理速度の低下を押さえるものです。
例えば、CPU→HDDへデータを書き込み、HDD→CPUへデータを送る場合は、HDDへの書き込みが完了するまでCPUへデータを送れませんが、
このキャッシュがあれば、CPU→HDDへのデータを一時的に保存し、HDD→CPUへデータを送ることができます。
そして、データの送受信が終了し、暇な時にデータを書き込むので、CPUを待たせることなくなり、処理のもたつきが減ります。

つまりキャッシュ容量は多いほど、性能が良くなります。

HDDに関する機能・用語

HDDにはいくつか専門の機能や用語があります。聞きなれない用語などがありますので、紹介します。
知っていれば、さらに自作PCをする上で役に立つ場面もあると思います。

HDDのプラッタ枚数・プラッタ容量

HDD内部にある、データを記録する円盤部分の事を「プラッタ」と言います。
基本的には1枚以上のプラッタで構成されています。

このプラッタ枚数・プラッタ容量というのはHDDの速度に影響します。
プラッタ枚数が少なく、プラッタ容量が大きい方が速い事になります。

NCQ

Native Command Queuingの略です。
HDDアクセスを高速化するための技術の一つです。
データの読み込み・書き込みを効率よく処理してくれる機能なので、データの読み込み・書き込みが高速化します。
SATAⅡから採用されましたので、最新版のSATAⅢもこの機能を搭載しています。

シークタイム・シーク速度

HDDは磁気ヘッドを移動させてデータを読み込み・書き込みするのですが、
磁気ヘッドが目的の読み込むデータがある位置に移動する時間の事です。
単位はmsもしくはmsecで表示されます。少ない数字の方が速いです。
ただ回転即位度ほど速さに影響がないので、あまり気にしなくても良いです。

ホットスワップ

通電つまり、電源を入れている状態で、機器を抜き差しできる仕組みです。
対応しているインターフェースと電源ケーブルが必要です。
HDD以外にもUSBやIEEE 1394でも採用されています。
電源を切らずに、交換やメンテナンスができるというメリットがあります。
実際に正常動作させるためにはデバイス、インターフェース、BIOS、デバイスドライバー、OS全てが対応している必要があります。

総括

皆さんの一番身近なパーツである「HDD」ですが、詳細については知らない人が多いのではないでしょうか。
「メモリ」の次に、取り付け・取り外しが簡単なPCパーツだと思います。
種類もそこまで多くないので、選び方も結構簡単だと思います。
回転数とプラッタ枚数をチェックすれば、目的に応じたものを購入できると思います。
ただそれでも分からない事があると思いますので、気軽に相談してください。
HDDの取り付け・取り外しについても写真や動画と共に改めて紹介したいです。

今回紹介したHDDについては、ほぼ現行のものしか説明しています。
メモリと同じく、PCパーツはどんどん進化しているので、過去の事については、
古いパソコンをアップグレードしない限りは知る必要はありません。

説明を追加したり、見やすくするために加筆・修正したいと思います。

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